うさぎの発症しやすい病気のなかで、「うっ滞」という、お腹にガスや毛の塊がたまってしまう病気があります。
うっ滞は徐々に進行していくこともありますが、急性うっ滞といって、数時間のうちに急激に症状が悪化することがあります。
早めに対処しなければならない病気なので、どのような症状なのかを知っておくことが大切です。
今回は、うさぎのうっ滞の症状、原因、治療法についてをご紹介します。
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うさぎのなりやすい病気 うっ滞
うさぎのなりやすい病気の中で、うっ滞という病気があります。
うっ滞とは、胃や腸などの消化器官の働きが弱る、あるいはとまってしまい、お腹にガスや毛がたまってしまう症状のことです。
うっ滞になるとエサを食べなくなり、大好きなおやつですら食べなくなってしまいます。
食べなくなるというより、食べたくても食べられない状態に胃がなっているんですね。
この状態はお腹が張り苦しく、うさぎも痛みを感じる辛い状態です。
うっ滞の症状
うさぎは敵から身を守るために、体調が悪くても症状を隠すという習性があります。
そのため本当はうっ滞になっていて苦しくても、症状が悪化するまではそれを表に出しません。
うっ滞には以下のような症状が見られ、2つ以上当てはまればうっ滞の可能性があります。
・食欲がなく、好きな食べ物も食べない
・消化器官の働きを保つ牧草をまったく食べない
・ケージの隅でじっとしている
・お部屋のなかでうさんぽをしない
・水をほとんど飲んでいない
・便の大きさが小さい
・便、尿が出ていない
・耳を触るといつもより冷たい
・お腹が張っている
・触られるのを嫌がる
うっ滞の原因
うっ滞の原因は幅広く、うさぎがうっ滞になっても、原因は特定できないことが多いです。
しかしどのようなことが起因するかを知っておけば、予防にもなるので理解を深めておくことは大切です。
・エサのバランスが悪い(小麦粉や砂糖が多いなど)
・糖分の高いくだものを与えすぎている
・牧草を食べる量が少ない
・牧草の種類があっていない
・季節の変わり目による温度変化などの体調不良(5℃温度が変わっただけで体調不良になります)
・換毛期による毛の飲み込み
・毛玉症(グルーミングのとき毛を飲み込みすぎてしまう)
・うるさい音、引越での環境変化などのストレス
・不正交合(歯がのびすぎて牧草を食べるのが困難になっている)
うっ滞はチモシー牧草を食べることである程度予防できます。
牧草には種類があるので、適切なものを食べさせましょう。
参考「うさぎの牧草の種類と食べないときの原因と対処法。おすすめチモシーまで」
うっ滞の治療法
うっ滞の症状が重度になっていなければ、お家で治療することは可能です。
目安としては、丸1日エサを食べなければ緊急性が高いサインです。
この場合は家で治療していると間に合わないので病院へ連れて行きましょう。
エサを少しでも食べてくれる、便を小さくても多少は出る場合は、お家で様子をみることもできます。
体を温める
うっ滞は体温が冷えてしまうので、体を温めてあげましょう。
・ケージに毛布やシーツをかぶせる
・暖房をつけて室温を適正に保つ
・温かいベッドを入れる
おすすめは、牧草で作られた「かまくらハウス」です。
うちでは体温低下防止のため、夏でもケージのなかにかまくらハウスを入れています。
調子が悪いときには夏でも入るので、うさぎの体調管理の目安にしています。
外より暖かく、うさぎも自分で温度の調整ができるので便利です。
マッサージ
うっ滞のときはお腹が痛いので、お腹を触るのはNGです。
背中を触るのが気持ちいいので、背中をマッサージしてあげましょう。
うさぎの背中に手のひらをあてて、人差し指と中指を中心に、上下に優しく動かします。
ゆっくり、上から下へさするようなかんじですね。
触られるのを嫌がるようだったら、無理にマッサージはしてはいけません。
消化酵素の働きを助ける食べ物を与える
腸内の消化が弱っているので、消化酵素を活性化させる働きを助ける食べ物を与えます。
もっとも効くのは、チモシーの一番刈りです。
普段からチモシーの三番刈りやアルファルファの牧草を与えている場合は、消化酵素の働きが弱くうっ滞になりやすくなります。
ふだんからうさぎが食べてくれるなら、チモシーの一番刈りか二番刈りを与えるようにしましょう。
ほかにも、パイナップルやパパイヤにも消化酵素が含まれています。
参考
「うさぎの牧草の種類と食べないときの原因と対処法。おすすめチモシーまで」
「うさぎの好物パイナップルの効果がすごい!消化酵素の働きと毛球症予防ができる」
水を飲ませる
うさぎは体調不良になると、まず水から飲まなくなります。
そこで水をたくさん飲ませるように工夫すると、症状の悪化を防ぐことができます。
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うちではうさぎの調子が少しおかしいなと感じると、すぐにうさぎ用のエナジーラビットを与えています。
水を飲むだけでビタミンC、クエン酸、ミネラルを補給できるので、症状が軽い場合はこれだけで回復します。
水道水のカルキも抜くことができるので、水をおいしく飲むことができます。
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病院へ連れて行く目安
うさぎが12時間、ペレット、牧草を食べない。
便と尿をしない場合は、緊急性が高く、うっ滞の症状が進行しているサインです。
この場合はすぐに動物病院で診てもらう必要があります。
24時間を過ぎると危険なので、夜間だとしても夜間病院へ行ったほうがいいです。
病院での治療法
動物病院でのうっ滞の処置は、主に注射になります。
ほとんどはこの注射で治り、ほかの治療は点滴をうつ場合もあります。
重症化している場合は、まれにですが手術をする場合もあります。
坊小太郎くんの急性うっ滞
ある朝ロップイヤーの食いしん坊小太郎くんが、昨日あげたエサをまったく食べていないことがありました。
大好きなりんごすらひとかじりすらしておらず、これはおかしい!と思いました。
ちょうどその時期は夏の暑さから冬の寒さにがらりと急変した時期で、気を付けていたのですが、うさぎに負担がかかったのだと思います。
便もしていなかったので、緊急性が高いと判断して、すぐに病院へ連れて行きました。
診察1時間前だったのですが、事情を話すと緊急性が高いということで、診察してもらえることになりました。
診断の結果、急性のうっ滞ということで、胃のなかに大きな毛の塊ができていることが判明しました。
注射をしてもらいましたが、小太郎くんまったく動かずにじっとしていました。
お腹が痛くて、駐車の痛みなど気にならないほどなのだろうと獣医さんに言われました。
そんなに痛いなんて・・・飼い主として不甲斐なさを痛烈に感じました。
皮下点滴もしてもらい、痛み止めの処置もほどこしてもらい、治療が終わるころにはだいぶ元気になっていました。
うっ滞の治療費
気になる治療費ですが、時間外だったため少し高くなりました。
・診察料 1000円
・時間外 3000円
・注射 1000円
・皮下点滴 3500円
・内用薬 1500円
うさぎの治療費は、だいたい1万円くらいかかることが多いです。
うっ滞の治療は浣腸をする場合もあるので、そのときはプラス2000円ほどかかります。
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