じつはデマ!うさぎは寂しいと死んじゃう説の由来は明治時代にあった

「うさぎは寂しいと死んでしまう」という嘘か本当か分からない話は、一度は聞いたことがあると思います。

その話が本当であるかのように、うさぎは朝元気だったのに、帰ってきてみると急死していたなんてことがあります。

これは人間が家を留守にしていて、寂しかったからなのでしょうか?

今回は、この話の出どころと、この説の真相についてをご紹介します。

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「うさぎは寂しいと死んじゃう」は明治時代に生まれた

「うさぎは寂しいと死んじゃう」という言葉は有名です。

わたしもうさぎと接していると、甘えん坊なうさぎが多いなと感じ、本当にうさぎって寂しがり屋なんだ~と思っていました。

 

しかし、それって本当なの?と思い、そういわれだした由来を調べてみると、まったくでたらめなことが分かりました。

ことの発端はいまから100年前の明治時代、日本では空前のうさぎブームが起きていました。

 

あまりのうさぎ人気に、うさぎを飼うことに税金がかけられるほどになり、日本中がうさぎのあまりのかわいさに熱狂していたそうです。

そんなとき、うさぎの販売人がブームにあやかってたくさんのうさぎを売ろうとしました。

 

そのとき出た言葉が、「うさぎは寂しいと死んじゃうから、たくさん買っていきな」という言葉だったんです。

1匹で飼っていると寂しさに耐えられない動物だから、複数飼いしなきゃいけないという、商売上手な言葉だったんですね。

 

その売り文句が広がり、今もうさぎは寂しいと死んでしまうという、嘘か本当か分からない話が定番となりました。

よく寂しがり屋の女の子が、「だってわたし、うさぎだから放っておかれると寂しくて死んじゃうんだからね!」とかわいく言ったりしますよね。

 

うさぎが寂しいと死ぬのはまったくのデマ

かかりつけのうさぎの専門医の獣医さんに、このことについて聞いてみました。

すると、「うさぎが寂しいという感情で死んじゃうことはないですね。飼い主の飼い方の問題ですよ」とさらりと言われました。

 

当サイトでもお伝えしてきましたが、うさぎの病気はほとんどが飼い主の飼い方の問題によるものです。

ここのあたりの誤解が、うさぎは寂しいと死んでしまうという誤解を招いたのではないかと思います。

 

うさぎは寂しいと死んじゃうが広まった理由

複数で一緒にいたほうが生存率が高い

うさぎは基本的に、複数で一緒に行動していたほうが野生では生存率が高まります。

自分が体調不良や病気で動けないときでも、ほかのうさぎが危険を察知して知らせてくれて、かわりに情報を収集してくれるからです。

 

ほかのうさぎと一緒に行動をしていないと、敵が近くにいることを察知できずに、食べられてしまいます。

そのため、寂しいと死んでしまうのではなく、「1匹だと生存確率が低くなる」というのが、野生のうさぎでは正しいです。

 

うさぎの体調は急変する

うさぎは朝元気な様子でいても、夜家に帰ってくると旅立っているなんてことがあります。

うさぎは体調が急変しやすく、病気の症状がいったんでると急激に悪化しやすいという特徴があります。

 

例えばうさぎがよくなる病気として「うっ滞」がありますが、これは胃の中で毛の塊ができて、消化器官の働きが低下する病気です。

急性うっ滞では、2~4時間のあいだで急速に症状がすすみ、手遅れの状態になります。

 

夜寝ているあいだや、仕事や学校に行っているあいだに病気になってしまえば、もう遅いんですね。

そしてこの状態だけみると、「人や仲間のうさぎがいなかったから、寂しくて死んでしまったのかもしれない」と解釈されるわけです。

 

体調が悪いのを隠す

うさぎは病気があってどこか痛くても、本能的にそれを隠すという習性があります。

これは、肉食動物である天敵に、自分が捕まえやすいことを悟らせないための防衛本能です。

 

そのため、病状が危険なまでに悪化しないと、飼い主にはうさぎが体調が悪いことが気が付かないことが多くあります。

本当はずっと前から体調が悪かったのに、うさぎが急に旅立ってしまっていたと見えてしまうんですね。

病状が悪化するのが早いということも重なり、寂しから死んでしまったのかな?と映るわけです。


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急に亡くなってしまう真相

うさぎは草食動物のため、消化器官がわたしたち肉食動物の働きとはまったく違う働きをします。

うさぎは常に胃を活発に活動させていないと、消化器官の働きが低下し、危険な状態になってしまいます。

 

何も食べない状態だと、12時間で危険信号がともり、このあたりで病院へ連れて行ったほうがいいレベルになります。

24時間を過ぎてしまうと、腸のなかには細菌が繁殖してしまい、命の保証が危ぶまれる状態です。

人間から見ると、24時間なにも食べないだけで死ぬなんてことはあり得ないと思いますが、うさぎには死活問題なんですね。

 

エサを食べなくなる理由

うさぎがエサを食べなくなってしまう原因はいろいろあります。

うさぎは1匹1匹の個体の作りが弱いので、ささいなことでも大きな負担となります。

例えば気温でいっても、うさぎは5度室温が変化すると、急激に体調を悪くさせ、エサを食べなくなってしまいます。

 

・毛を飲み込んでしまってうっ滞になっている

・ストレスによるもの

・毛玉症になっている

 

このような理由からエサを食べなくなってしまいます。

ちょっとしたことが理由なので、うさぎの飼い方には細心の注意を払わなくてはなりません。

 

じっさいはどうなのか?

じっさいにうさぎが寂しいから死んでしまうことはあるのかというと、「寂しいから」ということが原因で死んでしまうことはありません。

実のところ、うさぎは猫のように単体での行動が多く、縄張り意識も強いため、ほかのうさぎといるとストレスがたまります。

 

一緒に仲良く眠ることもありますが、あれは体温を温めるための手段にすぎません。

寂しいから、といって一緒に眠っているわけではないんですね。

 

うさぎはかわいい見た目をしていますが、人間が思っているより自分本位な生き物です。

寂しいから死んじゃうなんて悠長なことを言っているようでは、野生のなかでは生きていけないんですね。

それでも、こまめにお世話をしないと病気になってしまうので、飼育環境には徹底してお世話しましょう。

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