うさぎはとてもデリケートな動物です。
ちょっとしたストレスから病気になってしまうこともしばしばあります。
うさぎがなりやすい病気を知って、予防を心がけましょう。
今回は、うさぎが発症しやすい、かかりやすい病気についてご紹介します。
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うさぎがなりやすい病気①パスツレラ症
パスツレラという細菌に感染するとかかってしまうのがパスツレラ症です。
感染すると、スナッフルとも呼ばれる鼻かぜの症状が主に出ます。
鼻水が垂れていたり、鼻が詰まって息苦しそうにしているなど、以下のような症状が見られたらパスツレラに感染している可能性があります。
パスツレラ症の症状
・鼻水、鼻づまり
・くしゃみ、咳
・息苦しい様子
・鼻を鳴らす音がいつもと違う
・目の充血(結膜炎の併発)
・耳を頻繁に掻く、膿が出る(中耳炎の併発)
・皮膚がただれる
・顔周辺に腫瘍ができる
・手足が腫れる
・食欲低下
・元気がない
・下痢
・血尿
・斜頸(うさぎの首が傾く)
・床を転げまわる
鼻水やくしゃみなど、鼻かぜの症状が主ですが、ただの風邪と侮ってはいけません。
菌は全身に広がっていくので、放っておけば全身に広がってあちこちに症状が出ます。
また、結膜炎や中耳炎だけでなく、気管支炎や肺炎などの命に係わる病気を併発することもある怖い病気です。
また、エンドトキシンという強い毒素を作りだすこともあり、今まで元気だったうさぎが急に倒れることもあります。
パスツレラ症の原因
パスツレラ菌は犬や猫などの体内に常在している菌で、噛み傷などからうさぎの体内に侵入するといわれます。
けれど、犬や猫と接触することのないうさぎなら安心というわけではありません。
パスツレラ菌はうさぎ同士での感染力が高く、ペットショップやブリーダーにいるときにほとんどのうさぎが他のうさぎから菌をもらっている可能性が高いです。
一度感染した菌を体内から抹消するのは難しく、元気なうさぎでもパスツレラ菌を保有していると考えてよいです。
一度パスツレラ菌に感染すると、胃腸の不良やストレス、免疫のの低下などで何度でも発症します。
パスツレラ症の治療
パスツレラ菌を攻撃する抗生物質を投与します。
ですが、完全に菌を消すことはできないので、症状が収まって薬をやめるとまた再発することもあります。
皮膚の下に菌が入って腫瘍ができている場合には、除去手術をしますが、これも切った後に再発する可能性が高いです。
一度発症すると、完治は難しい病気です。
パスツレラ症を予防するには
親うさぎがパスツレラ菌を保有していると感染を予防することは、ほぼ不可能です。
けれど、菌に感染したら100%症状が出るというわけではありません。
発症を予防するためには、免疫力の低下を防ぐことが大事です。
・できるだけストレスを与えない
・十分な量のペレットと新鮮な牧草、ときどき野菜も様子を見て与える
・温度管理を徹底する
うさぎは特に暑さに弱いですが、寒いのも全く平気なわけではありません。
15度以下になると体調を崩しやすくなり、パスツレラ症も発現しやすくなります。
急激な温度変化にも弱いですから、部屋の中は常に18~24度に保っておきましょう。
うさぎがなりやすい病気②下痢
うさぎは通常コロコロした固い球状の便をします。
ですが、うさぎの胃腸は非常にデリケートなのでちょっとしたことですぐにお腹が緩くなります。
そのうえ、人や犬猫なら2~3日下痢をしていても問題はありませんが、うさぎの下痢は命に係わる大問題です。
うさぎの糞の種類
うさぎの糞にはいくつか種類があります。
・通常の良好な糞
ころころとした丸い糞。
しっかり固まっていて、触っても手につくことはありません。
盲腸便
うさぎの盲腸で発酵された栄養たっぷりの糞。
通常の糞より少し柔らかくて、粒同士がぶどうのようにくっついています。
盲腸便は出ると下に落ちずにお尻にくっついてしまうので、直接口を付けてうさぎが自分で食べてしまいます。
糞を食べるなんて汚いように思えますが、うさぎにとってはとても自然で必要なことです。
盲腸便をすること、食べること自体は何の問題もありませんが、食べずにお尻にくっついたままあるのは少し注意が必要です。
貴重な栄養源である盲腸便を食べない、なんらかの原因があると考えられます。
軟便
形は保っているけれど、盲腸便より少し柔らかい便。
ストレスなどで盲腸が弱っていると軟便になります。
盲腸便との見分けは難しいですが、うさぎは軟便は食べません。
なので、うさぎのおしりにくっついたままの柔らかい便は盲腸便ではなく軟便かもしれません。
軟便が出ても、大抵はすぐに普通のコロコロうんちに戻りますが、続くようなら何か餌やストレスなどの問題があるかもしれません。
下痢
うさぎが形のないべちゃべちゃの便をしていたら、下痢を起こしています。
すぐに病院につれていってあげてください。
下痢をしているということは、栄養を十分に吸収できていないということです。
うさぎは常に食べているといっていいほど、一日中ペレットや牧草を口に入れています。
それは、そうしなければ身体に問題が起こるからです。
ただの下痢、と軽く見ていると命に係わる危険もあります。
下痢の原因
うさぎの下痢にはさまざまな原因が考えられ、原因によって治療法も異なります。
ストレス
うさぎはストレスに非常に弱く、ちょっとしたストレスで下痢を起こしやすいです。
うさぎのストレスとなりうる要因はたくさんあります
・飼い主に構われなかった、逆に触られすぎた
・見知らぬ物や家具がある
・ケージの掃除がされてない
・ケージの場所が変わった
・ケージ内のレイアウトを変えた
・気温の変化
・見知らぬ来客
・聞きなれない音がする
・同居のうさぎや他のペットと仲が悪い
・運動不足
・かじり木がない
などなどなど。数えたら出したらキリがないですね。
ですが、これにはもちろん個体差があり、全てのうさぎがこの行動でストレスになるとは限りません。
うさぎの様子をよく見て、ストレスとなっていそうなものは取り除くようにしましょう。
餌の問題
うさぎに与えているエサが原因で下痢を起こしているときには、以下のようなケースが考えられます。
・ペレットがうさぎに合っていない
・傷んでいる
・量が多い、もしくは少ない
・野菜や果物の摂りすぎ
・人間用のおやつなど、うさぎが食べてはいけないものを食べた
うさぎはとにかくなんでも齧って口に入れてしまうので、食べてはいけないものや少々傷んでる野菜なんかでも簡単に食べてしまいます。
特に夏場は野菜や果物が傷みやすいので、残っているものはそのままにせずにすぐに引き上げるようにしましょう。
細菌の感染
細菌がうさぎの胃腸の中で増殖していると、下痢を起こすことがあります。
細菌の特定は、素人の判断では難しいので病院で診てもらいましょう。
便をもっていくと特定しやすくなります。
細菌はうさぎの年齢が若ければ若い程繁殖しやすく、危険も大きくなります。
うさぎ同士の感染もしやすいので、多頭飼いをしている場合には下痢をしているうさぎを必ず隔離するようにしてください。
寄生虫
うさぎの下痢を起こす要因となりやすいのが「コクシジウム」という寄生虫です。
コクシジウムはうさぎの他にも犬や猫、ハムスターや鳥などさまざまな動物に寄生し、糞から出たものが口に入ることによって感染します。
健康なときは寄生していても何も症状は出ませんが、免疫の低下やストレスにより下痢や食欲不振などが現れます。
予防のためには糞の始末を徹底すること、免疫を落とさないように生活を整えストレスを減らすことです。
下痢の治療
便の検査を行って原因を特定し、合わせた虫薬や抗生物質、整腸剤が処方されます。
また、パパイヤやパイナップルには消化を助ける酵素が入っているので与えると良いです。
ただし、水分の摂りすぎにならないよう与えすぎには注意しましょう。
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うさぎがなりやすい病気③歯の不正咬合
うさぎの歯が伸びすぎてかみ合わせに問題が出ることを不正咬合といいます。
知らず知らずのうちにうさぎの歯が伸びすぎてしまうことは意外と多いです。
特にうさぎは前歯だけでなく、奥歯も一緒に伸びるので注意が必要です。
前歯は口を開けたときに見ることができますが、奥歯のチェックは難しく発見も遅くなります。
不正咬合によって出てくる症状
不正咬合になると、口の中だけに留まらないさまざまな問題がでてきます。
・歯肉炎
・よだれ
・食欲不振
・元気がなくなる
・涙や目やにが増える
・目の充血(結膜炎)
食べにくくなって食欲がなくなるのは簡単な理屈ですが、目にまで影響がでるのは少し不思議ですね。
それは、うさぎの奥歯が目と非常に近い位置にあり、涙腺や眼球を圧迫してしまうためです。
うさぎが結膜炎になる9割は、不正咬合が原因だといわれています。
不正咬合の治療法
伸びすぎた歯は、機械で削るかもしくは抜きます。
どちらにしても麻酔が必要です。
麻酔をかけずにニッパでカットする方法もあるようですが、歯の神経などを傷つける危険があります。
切った後は歯のかみ合わせも悪くなるため、再発する可能性も高いです。
うさぎに麻酔をかけるリスクは高いですが、再発を防ぐためにも機械で綺麗に削ってもらった方がよいと思います。
不正咬合の原因
大抵の飼いうさぎは、歯の伸びすぎを予防するためにかじり木が与えられていると思います。
私も昔は「うちはかじり木をあげているから大丈夫!」と思っていました。
ですが、ある日うちで飼っていたうさぎの食欲が落ちたので病院に連れて行った所、奥歯が伸びていると言われました。
「かじり木もちゃんと齧っているようだったのに、どうして?」ととてもショックを受けました。
実は、うさぎの歯はかじり木などの硬い物を齧ることで削られるわけではありません。
食べ物を噛むときに、上の歯と下の歯をかみ合わせることで歯が削られるのです。
飼いうさぎの主食であるペレットは硬いように見えますが、潰したものを固めてあるのであまり咀嚼せずに食べられて歯の摩耗は少なくなります。
不正咬合の予防
かじり木やペレットが予防にならないのなら何が良いのかというと、牧草です。
牧草は木よりもやわらかいですが、たくさん噛まないと飲み込めないため不正咬合の予防に最適です。
不正咬合になってしまったのも、牧草をあまり食べない子でした。
ペレットを減らして牧草を多めに設置し、なんとか再発はせずに済みました。
ちなみに、硬すぎるかじり木はかえって歯を痛めてしまい、不正咬合になりやすくなってしまいます。
かじり木はストレス解消のためにも必要ですが、あまり硬すぎるものは使わないようにしましょう。
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