うさぎも「くしゅんっ!」とくしゃみをすることがあります。
ときどき見るのなら可愛い仕草で微笑ましいですが、一日に何度もしているようだと「何か病気なのでは?」と心配になってしまいますね。
今回は、うさぎがくしゃみをする病気やアレルギーについてです。
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うさぎのくしゃみは危険のサイン
うさぎは、人間や犬などのように口でハアハアと呼吸をすることはありません。
鼻のみで呼吸を行っているために、うさぎの呼吸器官はとても狭いです。
一回二回のくしゃみならさほど心配する必要はないかもしれませんが、何回もくしゃみをしていて鼻水も出ていたりしたら一大事です。
大げさに思うかもしれませんが人間にとってはただの風邪でも、うさぎにとっては風邪も命にかかわる病気の一つです。
うさぎはとても繊細な生き物ですから、小さなサインも見逃さないようにしてあげたいですね。
くしゃみの原因
うさぎがくしゃみをする原因は、主にこんなことが考えられます。
ホコリ、ゴミなどの異物が鼻に入る
ホコリや細かいゴミなどがうさぎの鼻に入ると、それを追い出そうとする反応でくしゃみが出ます。
人間と同じように、きっと鼻がむずむずして出るのでしょうね。
続けて何度もしているようでなければ、心配はいらないでしょう。
けれど、あまりにホコリやゴミなどを吸いすぎると、アレルギーになってしまうこともあります。
また、不衛生な環境はうさぎの免疫力を低下させる原因ともなりますので、こまめに掃除をしてホコリが出ないようにするのが望ましいです。
ホコリの立つ掃除中は、うさぎは別室に隔離しておくと良いですね。
パスツレラ感染症
パスツレラという細菌に感染すると、主に風邪のような症状が現れます。
くしゃみをしているだけでなく、鼻水が出ていたり呼吸が苦しそうな様子が見られたら、パスツレラに感染しているかもしれません。
いわゆるスナッフルと呼ばれる症状が見られるのが、パスツレラ感染症の特徴です。
パスツレラ感染症の症状
パスツレラ感染症にかかっている場合には、くしゃみの他にこんな症状も見られます。
様々な症状が同時に現れることもありますが、一つしか症状が出ないこともあります。
くしゃみの他は特に症状がないからといってパスツレラではないとは限りませんので、自己判断はせず必ず病院で診察してもらいましょう。
・くしゃみ、鼻水、鼻づまり、咳などの呼吸器症状
・食欲低下
・下痢
・血尿
・斜頸(首が傾いて元に戻らない状態)
・床を転げる
・顔周辺の腫瘍
・目の充血、痒そうにしている(結膜炎の併発)
・耳を掻く、膿が出ている(中耳炎の併発)
パスツレラ症にかかると「スナッフル」と呼ばれる鼻かぜに似た症状が良く見られます。
放っておくと、結膜炎や中耳炎だけでなく、肺炎や気管支炎にまで発展してしまうので、早期の発見・治療が大切です。
スナッフル
スナッフルとは鼻や気管支などの呼吸器に炎症を起こして現れる、鼻水やくしゃみなどの鼻かぜに似た症状のことをいいます。
スナッフルとはあくまで症状の名前であり、病名ではありません。
パスツレラ菌が主な原因と言われていますが、気管支敗血症菌や黄色ブドウ球菌などによって起こることもあります。
鼻水によって鼻が通りにくくなるので呼吸の音がいつもと変わり、ズーズーと息苦しそうに鼻を鳴らす音もスナッフルの特徴です。
スナッフルになると、最初はさらさらした鼻水がだんだん粘っこいものに変わります。
粘々した鼻水は鼻から出てきにくいので、さらに呼吸がしにくくなり、鼻下の皮膚へもくっついて皮膚炎を併発する原因ともなります。
ストレスで食欲低下するところまで来てしまうと、非常に危険な状態です。
スナッフルの症状が見られたら、早めに病院で診てもらいましょう。
スナッフルの予防
スナッフルになる原因は数種類の細菌ですが、共通するのはストレスが発症の原因となりうるということです。
うさぎは少しのストレスにも弱く、体調に変化をきたしやすいです。
できるだけうさぎにストレスを与えない生活を心がけるようにしましょう。
うさぎがストレスを感じるのは
・急激な温度変化
・ケージの場所が変わる、家具の模様替えなど、環境の変化
・掃除がまめにされない
・飼い主の構いすぎ、もしくは構われなすぎ
などだと言われています。
何がストレスになるかはうさぎの個体差もあるので、様子を見ながらうさぎがくつろげる環境を用意してあげましょう。
歯の不正咬合
歯の不正咬合とは、うさぎの歯が伸びすぎて噛み合わが悪くなってしまう状態のことをいいます。
一見、歯のかみ合わせとくしゃみに何の関係もないように思えます。
ですが、不正咬合はさまざまなうさぎの異常症状を引き起こす原因となる、とてもやっかいなものなのです。
不正咬合とくしゃみの関係
うさぎには、食べ物をちぎり取る前歯だけでなく、すり潰す役目の奥歯もちゃんとあります。
ハムスターなどのげっ歯目は伸びるのは前歯だけですが、うさぎは重歯目という種類に分類され、奥歯も一緒に伸びます。
うさぎの奥歯が伸びてしまうと、歯の上方にある鼻涙管を圧迫して鼻涙管閉塞を起こしてしまいます。
鼻涙管というのは鼻水や涙が通る細い管のことです。
鼻涙管閉塞によって、鼻水が増えるとくしゃみも出やすくなります。
また、うさぎの奥歯は目にも近いので不正咬合が起きていると結膜炎など目の病気にもなりやすくなります。
不正咬合の予防
不正咬合の予防となるのは、かじり木ではなく牧草です。
うさぎの歯は硬い物を食べることによって削れるのではなく、上の歯と下の歯がぶつかり合うことで削られます。
私も昔は硬いかじり木で削られるのだと信じていましたが、考えてみれば骨の一部である歯が木を齧ったくらいですり減ることはありませんよね。
むしろ、硬すぎる木でできたかじり木だと、却って歯並びを悪くして不正咬合の原因となってしまうことがあります。
牧草は口の中で何度も噛んで飲み込む必要があるので、歯の摩耗に最適です。
不正咬合を予防するためには、常に新鮮な牧草を充分に与えておくことが大切です。
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アレルギー
アレルギーによる症状で、くしゃみを頻発することもあります。
アレルギーとは、身体の中に入った異物を追い出そうとする反応が異常を起こしてしまって、問題のない物にまで過剰に反応するようになった状態のことです。
人間でいうと、花粉症などのことですね。
うさぎは花粉症になることは少ないですが、実は、ホコリなどによるアレルギー反応は人間よりも起こしやすいです。
うさぎの生活面は地面にとても近いところなので、ホコリやハウスダストなどが溜まりやすく、吸いこんでしまうことも多くなります。
人間以上に、うさぎのアレルギーには気を付けてあげなければなりません。
うさぎは、牧草やチップなどの粉が鼻や目に入って、アレルギー反応を起こすことがあります。
くしゃみを多くするときには、粉をふるって取り除いてからあげたり、品物を変えてみると良いですね。
また、かじり木やすのこなどがパイン材(針葉樹)でできていてると、アレルギー反応が出ることがあるといわれています。
ですが、これは高温多湿の密室で切りくずを使った場合の報告だそうなので、パイン材に過剰に反応する必要はありません。
食べ物によるアレルギー症状で、くしゃみを起こすこともあります。
いつもしているようならペレットを変えてみたり、特定の野菜を食べた後にだけ出ることはないか、よく観察してみましょう。
アレルギーの予防
うさぎにアレルギーを起こさないようにするのはとても難しいです。
ホコリなどによるアレルギーは掃除を徹底することである程度防げますが、食物アレルギーは遺伝的要因も大きいです。
これは人間のアレルギーに対する研究結果ですが、食べ物として口に入った物よりも皮膚炎から体内に侵入した物の方がアレルギー症状が出やすいのだそうです。
消化器内には色々な物が入ってくるので免疫反応が小さいのですが、皮膚は免疫が強く働きやすく本来ならば危険でない物にも過剰に反応してしまうのだそう。
人間もうさぎも大きく分ければ哺乳類の仲間なので、アレルギー反応に関しても共通するところがあるのではないかと思います。
うさぎは毛で覆われているので少しわかりにくいですが、皮膚炎もなりやすいです。
特に口や目まわりなどが汚れていると炎症を起こしやすいので、こまめに柔らかいガーゼなどで拭いてあげるとアレルギー予防になるのかもしれません。
うさぎの高齢化によるもの
うさぎは人間よりもずっと寿命が短く、人間よりも歳をとるの10倍も速いといわれています。
とても悲しいことですが、仕方のないことですね…。
うさぎの平均寿命は8年ほど、人間でいえば80歳くらいです。
一般的に、うさぎは5~6歳頃になったら体調に変化が起こりやすいと言われています。
人間の50~60歳はまだまだ元気な人も多いですが、確かに体力も落ちて色々な病気になりやすい頃ですね。
うさぎは、ちょっとの体力低下が命取りともなるので、人間以上に注意が必要です。
高齢化のサインの一つとして、くしゃみが増えるというものがあります。
これは、上で説明した不正咬合とも関係しています。
高齢化して食欲が低下すると、歯も伸びて不正咬合も起こしやすくなるのです。
高齢うさぎがくしゃみを頻発していたら「歳だから仕方がない…」などとは思わずに、一度病院で検査を受けることをお勧めします。
たかがくしゃみ、されどくしゃみ
うさぎは人間よりずっと小さくてデリケートな生き物なので、少しの変化にも気を配っていけなければなりません。
一度くしゃみをしたからといって過剰に反応することはありませんが、いつもより回数が増えたり、鼻水が一緒に出ていたりしたら、不調を起こしている可能性があります。
くしゃみにも注意して、うさぎの健康に気を付けてあげてください。
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