うさぎのといえば、コロコロの乾いた丸いうんちですね。
うさぎはおしっこはトイレでするのですが、うんちは無意識にしてしまうようなので、うさぎのいるうちにはどこでも丸いうんちがコロコロと転がっているかと思います。
ですが、ときどき湿り気のある柔らかい糞をすることもあります。
うさぎも人間も、便は健康のバロメーター。
いつもと違うといことは、何か体に変化が起きているサインです。
特に、うさぎはちょっとのストレスでも下痢になりやすいので、糞の様子も普段から注意して見て置くようにしましょう。
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どこからが下痢?うさぎの糞の種類
うさぎの糞にはいくつか種類があります。
通常の糞、コロコロうんち
通常の健康なうさぎは、丸くてコロコロの糞をします。
水気はあまりありませんが、もちろん水分不足で乾いているわけではありません。
うさぎは牛などと違い胃が一つしかないので、草など食べた物を上手に吸収できません。
そのため、一度胃腸を通って排出された糞は、まだ栄養や水分も残っていてベタベタです。
これは後で詳しく説明しますが、盲腸便という糞です。
うさぎはこれを食べてしまいます。
そして、もう一度胃腸を通って出てくるのが通常のコロコロうんちです。
二回吸収されるので、水分が少ない乾いた糞となるんですね。
栄養もほとんど吸収されるためか、匂いもあまりありません。
あまり見る機会のない、盲腸便
上でも書いた通り、うさぎは糞を食べて二度吸収します。
一度目に出た糞を盲腸便といいます。
うさぎの盲腸はとても大きく、ここにいる微生物を使って食物を発酵させます。
ですが、せっかく盲腸で発酵させても後に続く結腸直腸は短いので、充分に栄養を吸収できません。
この、吸収できなかった栄養が残ったままの糞が盲腸便です。
水分も残っていてベタベタしていて、排出されてもおしりにくっついたままです。
そして、すぐにうさぎが食べてしまうので、私たちが見ることは滅多にありません。
ブドウのようにくっついた糞、軟便
盲腸便は滅多に見ることはない、と書きましたが、数粒がくっついた柔らかい糞が落ちているのを見たことがある人は多いと思います。
それは、盲腸便よりもやわらかい軟便です。
盲腸便のように水分や栄養も豊富ですが、どういうわけかうさぎは軟便は食べません。
軟便が出ていたら、うさぎの健康黄色信号です。
ストレスや餌の変化など、なんらか問題があることが考えられます。
環境を改善しつつ様子を見て、軟便が続くようなら病院に相談してみましょう。
ベチャベチャで形のない糞、下痢
形もわからないほど柔らかい糞をしていたら、それは下痢です。
うさぎの下痢は大問題。すぐに病院につれていってあげてください。
うさぎは人間や犬、猫などと違って、一日でも絶食すると命にかかわります。
下痢をしているということは、ほとんど栄養が吸収できていないということですから、絶食に近い状態です。
たかが下痢、とあまく見てはいけません。
早急に原因の究明と対処が必要です。
診察の際には問題の糞を持っていくと、詳しく検査をしてもらえます。
下痢の原因と治療法
うさぎはストレスに非常に弱く、ちょっとしたことでもすぐに軟便になります。
原因を取り除けばまたコロコロの健康なうんちに戻ることも多いですが、そのままにしておくと下痢へと症状が進んで危険な事態になってしまいます。
うさぎが下痢や軟便をしていたら、こんなことが原因かもしれません。
下痢の原因①ストレス
何度も書きますが、うさぎはストレスに非常に弱いです。
人間にとってはなんでもないことにもストレスを感じてしまうので、ストレスの要因がわからないこともあります。
うさぎにとってストレスとなりうるのは
・大きな音、聞きなれない音
・エアコンの風や隙間風が直接当たる
・ケージの場所やレイアウトの変更
・模様替えや新しい家具の設置
・見知らぬ人の訪問
・飼い主の構いすぎ、もしくは構われなさすぎ
・同居動物との不仲
・ケージから出る時間が短い
・かじり木などかじれる物がない
・気温の変化
などなどなど。
この他にも、もしかしたら人間の思い至らないところにストレスを感じているかもしれません。
ですが、これらのことがあっても全く平気なうさぎもいます。
「飼い主の構いすぎ、もしくは構われなさすぎ」の項目が良い例ですね。
なでなでや抱っこが嫌いなうさぎもいれば、大好きで自ら飛び乗ってくる子もいます。
個体差も非常に大きいので、うさぎの様子を見ながら判断するしかありません。
ストレスによる下痢の治療
原因が特にわからなければストレスによるものと診断されます。
何がうさぎのストレスとなっているのか考え、思い当たることがあれば取り除きましょう。
病院に連れて行くと整腸剤を処方されます。
ですが、薬で一時的によくなっても、ストレス元が改善されていなければまた症状が現れます。
うさぎにとってなにがストレスなのか、よく観察して判断することが大事です。
下痢の原因②餌に問題がある
下痢をしているときには、餌の問題が原因の一つとしてあげられます。
市販のうさぎ用ペレットには、うさぎに必要な栄養がきちんと含まれていない粗悪なものも中にはあります。
飼う前に成分をよく確認するようにしましょう。
他にも
・餌が古くて傷んだりカビたりしている
・量が多すぎる、もしくは少なすぎる
・食べてはいけない物を食べた(うさぎに適さない野菜や人間用のお菓子など)
といった原因が考えられます。
うさぎ用ペレットは、開封から通常1ヶ月程度で使い切るように作られています。
開けてから長くても1ヶ月半くらいを目安に消費するようにしましょう。
保存は密閉容器に入れて、常温の直射日光が当たらない場所に置きましょう。
乾燥剤を一緒に入れておくと、湿気防止になります。
ただし、間違って餌箱に一緒に入れてしまわないよう要注意です。
冷蔵庫に入れるのは、出し入れすることで湿気が出ることもあるのであまりお勧めしません。
野菜は水分が多いので、与えすぎると下痢をすることがあります。
また、置きっぱなしで傷んだものをうさぎが食べてしまうことも。
夏場は特に傷みやすいので、残しているものはすぐに引き上げるようにしましょう。
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餌に問題がある場合の治療法
食べた物によって処置が異なるので、原因と思われるものを持参したり、残っていなければメモを取っておきましょう。
すでに下痢として外に出ているということは、身体になんらかの異常が起きてしまった後なので出ている症状に対処することになります。
何度も言いますが、うさぎにとって下痢は命取りなのでできるだけ早急に病院に連れていきましょう。
下痢の原因③寄生虫(コクシジウム)がいる
コクシジウムという寄生虫がいると、うさぎが下痢をする原因となります。
うさぎに寄生するコクシジウムは9種類いて、そのうち下痢を起こすのは腸に寄生するタイプです。
コクシジウムは犬や猫などに常在していて、糞から出たものがうさぎにも感染します。
うさぎからうさぎへも移りやすく、ほとんどのうさぎには幼い頃に母親や一緒にいたうさぎから感染しているともいわれています。
けれど、感染したら即発症するわけではありません。
免疫の低下や胃腸の状態が悪くなると、下痢や腹痛、お腹の張りといった症状が見られるようになります。
発症を防ぐには、ストレスを与えないことや、餌や運動などの健康管理が大事です。
コクシジウムの治療
整腸剤と抗原虫薬を与えて、寄生虫を駆除します。
下痢に伴って、脱水や食欲低下が見られるときには、輸液や強制給餌なども必要です。
ケージにも寄生虫がいる可能性があるので、合わせて消毒も行います。
下痢の原因④細菌・ウィルス感染
細菌も寄生虫と同じく、感染自体が原因というより元々体内にいたものが免疫や体力の低下などによって発症することが多いです。
うさぎが下痢を起こす細菌はロタウィルスや大腸菌、パスツレラなど多数ありますので、糞を持参して特定してもらいましょう。
また、兎ウイルス性出血病という怖い病気でも下痢が見られることがあります。
うさぎ同士での細菌感染はあっという間に広がるので、多頭飼いしている場合には必ず隔離するようにして二次感染を防ぎましょう。
細菌・ウィルスによる下痢の治療
整腸剤とそれぞれ細菌に合った抗生物質が処方されます。
細菌の種類によっては、完全に抹消することは難しく、薬を止めるとすぐに再発してしまうこともあります。
細菌の駆除だけでなく、うさぎ自身の体質を改善させる根気強い治療が必要です。
下痢の原因⑤毛球症
うさぎがなりやすい病気の一つに毛球症があります。
毛球症とは、うさぎが毛づくろいの際に飲み込んだ毛がお腹に溜まってしまう病気です。
うんちが毛でつながっていたり、毛を頻繁に吐き出したりする症状も見られます。
以前は多量の抜け毛を飲み込んでしまうことでなると考えられていましたが、最近では胃腸が弱ることで正常に毛を排出できなくなることが問題だといわれています。
毛球症の治療
下痢をしている場合には整腸剤が処方され、胃腸の調子を整えます。
食欲がないようであれば、点滴や強制給餌の処置をとり、固まった毛玉を取り除く薬を入れます。
症状が酷いようであれば、外科手術で毛玉を取り除くことも。
全身麻酔はうさぎにとってはリスクが高いので、手術は最後の手段です。
大事なのは日ごろの健康管理!
どの原因でも、ストレスや免疫力、体力の低下によって胃腸が弱っていることが大体共通した条件です。
細菌や寄生虫に感染していても、健康であれば下痢になることはありません。
しつこいようですが、下痢はうさぎにとって命にかかわりますので、できるなら未然に防ぎたいものです。
うさぎの下痢を防ぐには、日ごろから餌の管理や、適度な運動など健康状態に気を配ることが大事です。
うさぎは痛みなどに強く自分が弱っているのを悟られまいとするので、ちょっとした変化にも気づけるように観察眼を磨いておきましょう。
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