一般的には、うさぎといえば真っ白な体に赤い目というイメージをされることが多いです。
うさ飼いなら当然よくお分かりかとは思いますが、うさぎには様々な色がありますし、白いうさぎでも目が赤いとは限りません。
けれど、ブラウンやグレーの目のうさぎでも炎症を起こして真っ赤に充血してしまうこともあります。
今回は、そんなうさぎの目と病気についてです。
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うさぎの目が充血していたら
うさぎの目が赤く充血していたら即病気というわけではありません。
人間もスマホの見すぎやゲームのやりすぎなど目を酷使して、赤く充血してしまうことがありますよね。
うさぎも同じで、目が赤くなっていてもちょっと疲れているだけで、少し時間がたてば治る可能性も充分にあります。
ですが、目の病気は放っておくと最悪失明してしまう可能性もあります。
何よりうさぎが痒そうにしていたり、痛そう目をシバシバさせている様子は、端から見ていても可哀そうです。
足で掻いてしまって、さらに目を傷つけてしまうこともあります。
結膜炎→目が痒くて足で掻く→角膜に傷がつく→角膜炎→重症化して内部炎症→ブドウ膜炎→さらに放置→緑内障→失明、というのが最悪のパターンです。
目に異常を見つけたら、なるべく早めに病院に連れて行ってあげてください。
白うさぎの目が赤いのはなぜ?
最初に書いた通り、すべての白うさぎが赤い目をしているわけではありません。
むしろ、様々な種類がある中で、赤目白毛のうさぎは少ないです。
というのも、赤目のうさぎはアルビノという突然変異によってできたものだからです。
メラニン色素を持たないアルビノは目にも色素がないので、血管が透けて赤く見えます。
赤目のうさぎは充血していてもわかりにくいので、他にも涙や目やになどの症状がないか注意して見てください。
白い毛のうさぎでも、アルビノでないものはメラニン色素を持っているので、ブラウンやグレー、たまにブルーなどの目の色をしている方が多いです。
うさぎの目が充血していたら、こんな病気かも
うさぎの目が充血していたら、以下の病気にかかっている可能性があります。
結膜炎
目の白目からまぶたの裏側のピンク部分にかけてまでを結膜といいます。
そこがなんらかの原因で炎症を起こしている状態が結膜炎です。
結膜炎になると、充血、まぶたの腫れ、目ヤニ、涙が大量に出るなどの症状が見られます。
症状が進むと角膜炎になってしまったり、目ヤニや涙によって目周りが皮膚炎になってしまうことも。
最悪の場合は失明してしまったり、目の摘出が必要になることもあります。
結膜炎の原因
結膜炎の原因は以下のようなものがあります。
①爪やほこりなど異物が目に入る
②パスツレラなどの細菌感染
③アレルギー症状
④歯の不正咬合
このなかで一番多いのは④の不正咬合です。
不正咬合とは、歯が伸びすぎてかみ合わせが悪くなることです。
うさぎの不正咬合と目の関係については、詳しく後述します。
結膜炎治療法
異物による傷が原因の場合は、異物を取り除く処置をして、炎症を抑える目薬をします。
細菌が繁殖しているときには、抗生物質の目薬も投与します。
不正咬合が原因の場合は、麻酔をかけて伸びすぎている歯を削るか抜く処置を行います。
目をかゆがってこすってしまうときには、エリザベスカラーがつけられることもあります。
治療費は、診療と目薬で大体2~3000円程度ですが、歯の処置や手術が必要になるともっとかかります。
角膜炎・角膜潰瘍
角膜炎とは、目の表面の膜である角膜に炎症が起きている状態、角膜潰瘍とは、目が傷ついた状態のことです。
うさぎの目は飛び出ているので、ケージなどにぶつけてしまったり知らないうちに傷ついてしまうことも多いです。
角膜には血管が通っていないので傷が治りにくく、放っておくと最悪の場合は眼球が破裂してしまうこともあります。
症状は充血、目ヤニ、涙の増量と結膜炎と似てますが、目の表面が白く濁るようなときには角膜に異常があると考えられます。
角膜潰瘍の原因
①ケージや家具などに目をぶつける
②うさぎ同士の喧嘩
③自分の爪で目を傷つけてしまう
多頭飼いをしている家では、うさぎ同士で喧嘩をして目を傷つけてしまうことも少なくありません。
うさぎは一般的には大人しいイメージですが、意外と縄張り意識が強く、勝気で喧嘩っ早いです。
特にオス同士の喧嘩は激しいので、できるだけ別のケージで飼うことをお勧めします。
また、ロップイヤーなどの垂れ耳種は、耳の毛が目に入りやすく角膜を傷つけやすいので注意してください。
角膜炎・角膜潰瘍の治療法
結膜炎と同じく、目薬での治療が主となります。
ステロイドの点眼薬が処方されることもあります。
ブドウ膜炎
ブドウ膜炎は、目の中で炎症を起こしている状態です。
目全体に血管が浮き出て充血し、黒目部分が少し大きく広がるのがブドウ膜炎の特徴です。
酷くなると、傷みのために食欲もなくなり、身体全体が弱ってしまうこともあります。
放っておくと白内障や緑内障を二次的に発症してしまうこともありますので、必ず病院に連れていってあげてください。
ブドウ膜炎の原因
①細菌感染
②寄生虫による感染
③角膜炎の重症化
パスツレラ菌による感染や、寄生虫のエンセファリトゾーンによる感染が主な原因です。
他にも腫瘍や体全体の免疫が下がったことによって発症する場合もあります。
ブドウ膜炎の治療法
軽度の場合は結膜炎や角膜炎と同じく点眼での治療となります。
全身に感染した細菌が原因のときは、飲み薬も処方されます。
症状が進んで、それだけでは足りない場合には、抗菌薬を注射することも。
かなり重度にまで症状が進んで激しい痛みがあるようなときには、目の摘出手術が必要になるかもしれません。
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緑内障
緑内障は目の中に水がたまってしまう病気です。
重症になると、瞼が閉じられなくなるほど目が膨らんでしまったり、目やにの増量、痛みで食欲低下することもあります。
緑内障の症状としては、目が飛び出てくる、目の表面が白く濁る、痛みで元気がなくなる、などですが、角膜が傷つきやすくなるので充血したり、目が赤くなったりすることもあります。
目が白濁する点で白内障と似ていますが、緑内障は激しい痛みを伴うことが多いです。
なるべく早く病院につれていってあげましょう。
緑内障の原因
①遺伝によるもの
②なんらかの原因でできた目の傷
③目の中にできた腫瘍
④ブドウ膜炎から併発
ニュージーランドホワイトは遺伝的に緑内障になる可能性が高いです。
初期に発見できれば、治療できる可能性は高くなるので、ニュージーランドホワイトは特に目の様子を普段からよく見てあげましょう。
緑内障の治療
眼の拡張を抑える目薬を点眼しますが、完全に治すことは困難です。
症状が進んで、痛みが酷いときなどは眼球摘出手術をします。
費用は診察代と薬代で大体3000~5000円程度の所が多いですが、完治が難しいので通院が長くなります。
手術をすればもっと費用がかかります。
角膜閉鎖症(偽翼状片)
結膜が何重にもできてしまう症状です。
まぶたの淵から黒目に向けて、ドーナツ状に白い膜が張ったように結膜で覆われてしまいます。
放っておくと完全に結膜で覆われて目が見えなくなってしまいます。
膜が充血して赤い血管が見えることも。
角膜閉鎖症(偽翼状片)の原因
ウィルスや先天的な原因によるものといわれていますが、くわしくはまだ解明されていません。
症例も少なく、珍しい病気です。
角膜閉鎖症(偽翼状片)の治療法
手術で増えた結膜を取り除きます。
稀に増えた結膜が角膜とくっ付いてしまうこともあり、角膜にまでダメージを受けてしまうことも。
その後、免疫抑制剤や抗生物質の点眼を行って炎症を抑え、再発を防ぎます。
歯が伸びすぎると目の病気になりやすくなるワケ
うさぎの目に異常が起こる原因の90%は、実は歯の伸びすぎ=不正咬合が原因だと言われています。
歯と目なんて全然関係がなさそうに思うのですが、うさぎの場合はそうではありません。
うさぎは口を開けても前歯しか見えませんが、奥歯もちゃんとあります。
うさぎの前歯は放っておくと際限なく伸びていくことはうさ飼いならみんな知っているかとは思いますが、伸びるのは前歯だけだと思っている人も少なくありません。
ハムスターなどのげっ歯目は前歯だけが伸びますが、うさぎは重歯目といって奥歯も一緒に伸びるんです。
うさぎの奥歯は目と近い位置にあるため、伸びすぎると涙腺や眼球を圧迫してしまいます。
見えにくい奥歯は知らずに伸びてしまうことも多いです。
かじり木だけでは歯の伸びすぎは予防できない
うさぎの歯を削るためにはかじり木を与えること、とどのうさぎ飼育書にも書いてありますが、最近ではそれだけでは予防にならないということがわかってきました。
うさぎの奥歯は硬い物をかじるときではなく、草などをすり潰すときに上下の歯を合わせることによって摩耗されます。
歯を削るのにいい物は硬い木ではなく、実は柔らかい草だったんですね。
それだけでなく、実は硬すぎる木は逆に不正咬合の原因となることもあります。
硬すぎる木だと歯に余計な力が入ってしまい、歯並びがズレてかみ合わせが悪くなってしまいます。
かじり木はストレス解消になるので歯をけずる以外にも必要なものですが、あまりにも硬すぎるものは使わないようにしましょう。
うさぎの歯を削るのは牧草
歯の伸びすぎを予防するために、一番良いのは牧草です。
ペレットはすでにすり潰されたものを固めてあるので、あまり噛む必要がなく、奥歯が消費されません。
牧草は食べるときに奥歯ですり潰す必要があるので、充分な咀嚼によって歯を削ってくれます。
野菜も奥歯の摩耗には良いのですが、うさぎにはあまりよくないものも多く、与えすぎると水分で下痢を起こしやすいです。
ペレットと一緒に常に新鮮な牧草をたっぷりと与えておくようにしましょう。
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